特殊車両通行許可申請書の記入は難しくない
特殊車両通行許可の申請書を初めて見ると、記入項目が多くて戸惑います。
車両情報・経路・積載物など、どこに何を書けばいいのか分からず、手が止まってしまう方も少なくありません。
実際、記入ミスや記載漏れがあると、審査が長引いたり差し戻しになったりするため、正確な記入が求められます。
この記事では、特殊車両通行許可申請書の記入例を項目ごとに詳しく解説します。初めての方でも迷わず記入できるよう、よくある間違いや注意点も含めて実例付きで紹介するので、スムーズな申請をサポートします。
特殊車両通行許可申請書の基本構成
特殊車両通行許可申請書は、大きく分けて3つのパートで構成されています。
申請書本体(様式第一)
申請者の基本情報や申請内容の概要を記載する部分です。
会社名・住所・代表者名・連絡先などの申請者情報と、申請する車両の台数・経路数・通行期間などを記入します。
この部分は申請全体の表紙のような役割を果たすため、正確な記載が必要です。
車両の諸元に関する説明書(様式第二)
通行させる車両の詳細なスペックを記載する部分です。
車両の幅・長さ・高さ・総重量・軸重・輪荷重などの寸法と重量、車両の構造や型式、積載物の内容などを具体的に記入します。
車検証の情報をもとに正確に転記することが重要で、ここでの記入ミスは審査に直結します。
通行経路表・通行経路図
どの道路をどのように通行するかを示す部分です。
出発地から目的地までの経路を、道路名・区間・距離などとともに一覧表にまとめ、さらに地図上に経路を明示します。
複数の道路管理者にまたがる場合は、それぞれの管理区間を明確にする必要があります。
申請書本体(様式第一)の記入例と注意点
申請者情報の記入方法
申請者情報は、法人の場合と個人事業主の場合で記入内容が異なります。
法人の場合は、正式な会社名(株式会社や有限会社などの法人格を含む)・本店所在地・代表者氏名・電話番号を記入します。
個人事業主の場合は、屋号ではなく個人名で申請し、事業所の住所と連絡先を記載します。
住所は都道府県から番地まで省略せずに記入し、電話番号は日中連絡が取れる番号を記載することが重要です。
申請車両台数と経路数の記入
申請する車両の台数と経路数を正確に記入します。
車両台数は、トラックまたはトラクタの台数をカウントし、被けん引車(トレーラー)は台数に含めません。
経路数は、片道1経路・往復2経路として数えるため、往復で申請する場合は経路数を2倍にして記入します。
例えば、4台の車両で6経路を往復申請する場合、車両台数は「4台」、経路数は「12経路」と記入します。
通行期間の記入と更新の考え方
通行期間は、実際に通行を開始する予定日から終了予定日までを記入します。
新規申請の場合、最長で2年間の許可を取得できますが、審査期間を考慮して余裕を持った開始日を設定することが推奨されます。
更新申請の場合は、現在の許可期間が満了する前に申請を行い、期間が途切れないようにすることが重要です。
許可期間の満了日の3か月前から更新申請が可能なので、早めの手続きが安心です。
車両の諸元に関する説明書(様式第二)の記入例
車両寸法の記入方法と測定基準
車両寸法は、車検証に記載されている数値を正確に転記します。
幅は車両の最大幅員、長さは車両の最前端から最後端まで、高さは地上から車両の最高部までを記入します。
積載物がある場合は、積載物を含めた状態での寸法を記入する必要があるため、実測値を用いることが重要です。
測定は水平な場所で行い、タイヤの空気圧を規定値に調整した状態で計測します。
重量に関する記入項目の詳細
重量に関しては、総重量・軸重・輪荷重の3つを記入します。
総重量は車両重量と最大積載量の合計で、車検証に記載されている車両総重量を記入します。
軸重は各車軸にかかる重量で、前軸・後軸それぞれの重量を記載します。
輪荷重は1つのタイヤにかかる重量で、軸重を片側のタイヤ数で割った値を記入します。
これらの数値が一般的制限値を超える場合、特殊車両通行許可が必要になります。
車両の構造と型式の記入
車両の構造は、車検証の「車体の形状」欄に記載されている内容を転記します。
トラック・トラクタ・セミトレーラ・フルトレーラなどの区分を正確に記入し、連結車の場合はトラクタと被けん引車の両方の情報を記載します。
型式は車検証の「型式」欄をそのまま転記し、改造車両の場合は改造内容も併せて記入します。
特に、車両の構造が特殊な場合や、積載装置が特殊な場合は、図面や写真を添付することで審査がスムーズに進みます。
通行経路表・通行経路図の作成方法
通行経路表の記入項目と順序
通行経路表は、出発地から目的地までの経路を順番に記載する一覧表です。
記入項目は、道路の種類(一般国道・都道府県道・市町村道など)・道路名・区間(起点と終点)・距離・道路管理者です。
経路は実際に通行する順序で記載し、交差点名や主要な目印を起点・終点として明記します。
複数の道路管理者にまたがる場合は、管理者ごとに区分して記載することで、審査がスムーズに進みます。
通行経路図の作成基準と縮尺
通行経路図は、通行経路を地図上に明示した図面です。
縮尺は、経路全体が1枚の図面に収まるように設定し、一般的には1/25,000から1/50,000程度が推奨されます。
経路は赤線などで明確に示し、出発地と目的地を明記します。
交差点や分岐点では、どの方向に進むかが分かるように矢印や注釈を加えると、審査担当者が経路を理解しやすくなります。
電子申請書作成システムの活用
国土交通省が提供する「電子申請書作成システム」を使うと、通行経路表と経路図を効率的に作成できます。
このシステムでは、地図上で経路をクリックするだけで自動的に通行経路表が作成され、経路図も同時に生成されます。
道路管理者の情報も自動的に入力されるため、手作業での記入ミスを防げます。
オフライン用プログラムとして無料でダウンロードできるため、インターネット環境がない場所でも作業が可能です。
積載物に関する記入と注意事項
積載物の種類と記入方法
積載物の種類は、具体的かつ正確に記入します。
「建設機械」「鋼材」「コンテナ」など、積載物の内容を明確に記載し、分割できない貨物の場合はその旨を記入します。
積載物の寸法や重量も記載が必要で、特に長さや高さが車両からはみ出す場合は、はみ出し寸法を明記します。
積載物が特殊な形状の場合は、図面や写真を添付することで審査がスムーズに進みます。
積載物の固定方法と安全対策
積載物の固定方法は、安全な通行を確保するために重要な記入項目です。
ロープ・チェーン・ベルトなどの固定具の種類と本数、固定位置を具体的に記載します。
積載物が移動しないように適切に固定されていることを示すため、固定方法の図解を添付することが推奨されます。
特に、重量物や長尺物を積載する場合は、固定方法の詳細な説明が求められることがあります。
分割不可能な貨物の取り扱い
分割不可能な貨物とは、構造上または機能上、分割して運搬できない貨物のことです。
建設機械・プラント設備・大型構造物などが該当し、これらを運搬する場合は「分割不可能」と明記します。
分割不可能な貨物の場合、一般的制限値を大幅に超える寸法や重量でも許可される可能性が高くなりますが、通行条件が厳しくなることもあります。
審査では、なぜ分割できないのかを説明する資料の提出を求められる場合があります。
よくある記入ミスと差し戻し事例
車両情報の記入ミス
車両情報の記入ミスで最も多いのは、車検証の数値を誤って転記するケースです。
特に、車両総重量と最大積載量を混同したり、軸重の計算を間違えたりすることがあります。
車検証が電子化されている場合は、自動車検査証記録事項を正確に確認し、記載内容を慎重に転記することが重要です。
また、連結車の場合、トラクタと被けん引車の情報を両方記載する必要があるため、どちらか一方の記載漏れにも注意が必要です。
経路情報の不備
経路情報の不備で多いのは、道路名や区間の記載が不明確なケースです。
「国道○号線」だけでなく、具体的な交差点名や地名を起点・終点として記載しないと、どの区間を通行するのか判断できません。
また、通行経路図と通行経路表の内容が一致していない場合も差し戻しの原因になります。
経路図では赤線で示した経路が、経路表では記載されていないといった不整合がないか、提出前に必ず確認することが重要です。
添付書類の不足
添付書類の不足も、差し戻しの主な原因です。
自動車検査証の写し(電子車検証の場合は自動車検査証記録事項の写し)は必須で、これがないと受理されません。
また、道路管理者が必要と認める書類として、車両の図面・積載物の図面・写真などの提出を求められる場合があります。
申請前に、申請先の道路管理者に必要書類を確認し、不足がないように準備することが重要です。
申請手数料の計算方法と納付手続き
手数料の計算式と具体例
特殊車両通行許可申請の手数料は、申請経路が複数の道路管理者にまたがる場合に必要です。
計算式は「申請車両台数×申請経路数×200円」で、片道1経路・往復2経路として数えます。
例えば、4台の車両で6経路を往復申請する場合、手数料は「4台×12経路×200円=9,600円」となります。
申請経路が熊本県の管理する道路のみの場合や、新規格車の通行許可申請で高速自動車国道及び重さ指定道路を除いた区間の道路管理者が1つの場合は、手数料は不要です。
収入証紙による納付方法
手数料の納付方法は、従来は収入証紙による納付が一般的でした。
申請書に必要額の収入証紙を貼付して提出する方式で、収入証紙は都道府県の指定販売所で購入できます。
ただし、栃木県では令和8年3月31日で収入証紙が廃止されるなど、電子納付への移行が進んでいます。
申請先の道路管理者によって納付方法が異なるため、事前に確認することが重要です。
電子納付の導入と利用方法
栃木県では、令和8年1月5日から特殊車両通行許可申請の電子収納が開始されました。
栃木県電子申請システムの「電子納付機能」を利用し、クレジットカード・電子マネー・コード決済・Pay-easy・コンビニ収納による納付が可能です。
同一日に複数の申請を行った場合は、個々の申請ごとに手数料の納付手続を行う必要があり、複数申請分の手数料を合算してまとめて納付することはできません。
電子納付の導入により、窓口に行かずに手数料を納付できるようになり、利便性が向上しています。
オンライン申請と書面申請の違い
オンライン申請のメリットと手順
オンライン申請は、自治体申請システムを利用して土木事務所宛てにオンラインで申請する方法です。
メリットは、窓口に行く必要がなく、24時間いつでも申請できることです。
手順は、まず自治体申請システムにユーザー情報を登録し、申請支援システムで作成した申請データ・車検証の写し・経路図などの提出書類を電子データで用意します。
その後、自治体申請システムからオンライン登録することで申請が完了します。
栃木県では令和8年1月5日からオンライン申請の受付が開始されるなど、各自治体で導入が進んでいます。
書面申請の手続きと提出方法
書面申請は、従来からの窓口持参または郵送による申請方法です。
申請書類を紙で作成し、通行経路を管轄する担当窓口に持参または郵送して提出します。
窓口で直接提出する場合は、その場で書類の不備を確認してもらえるため、差し戻しのリスクを減らせます。
郵送の場合は、申請書類一式を封筒に入れて担当窓口に送付し、受理されるまで数日かかることがあります。
オンライン申請が導入された後も、書面申請は引き続き可能です。
許可証の交付方法と受け取り
許可証の交付は、オンライン申請・書面申請のいずれの場合も「窓口」または「郵送」での交付となります。
窓口交付の場合は、許可証が発行されたら担当窓口に取りに行きます。
郵送交付を希望する場合は、申請時に切手を貼付した返信用封筒を申請先の土木事務所あてに提出します。
許可証が発行されるまでの期間は、内容によって異なりますが、目安として3日から40日程度です。
車両や通行経路に特別な審査が必要な場合は、時間がかかることがあるため、余裕を持った申請が重要です。
申請から許可証発行までの流れ
申請書類の提出と受理
申請書類を提出すると、まず担当窓口で書類の形式的なチェックが行われます。
必要書類が揃っているか、記入漏れや明らかな誤りがないかを確認し、問題がなければ受理されます。
受理されると、申請が正式に受け付けられた旨の連絡があり、審査が開始されます。
書類に不備がある場合は、その場で指摘されるか、後日連絡が来るため、速やかに修正して再提出します。
審査プロセスと所要期間
審査では、申請内容が道路法や車両制限令の基準に適合しているかを確認します。
車両の寸法や重量が一般的制限値をどの程度超えているか、通行経路の道路構造が車両の通行に耐えられるかなどが審査されます。
複数の道路管理者にまたがる場合は、各道路管理者間で協議が行われるため、審査に時間がかかることがあります。
審査期間は内容によって異なりますが、3日から40日程度が目安で、特別な審査が必要な場合はさらに時間がかかることもあります。
許可証の発行と通行条件の確認
審査が完了し、通行が可能と判断されると、許可証が発行されます。
許可証には、通行できる車両・経路・期間・通行条件などが記載されているため、内容を必ず確認します。
通行条件として、徐行・誘導車の配置・通行時間帯の制限などが付されることがあり、これらの条件を守らないと許可が取り消される可能性があります。
許可証は車両に携帯し、通行時には常に確認できる状態にしておくことが義務付けられています。
更新申請と変更申請の記入ポイント
更新申請の記入方法と時期
更新申請は、現在の許可期間が満了する前に行う申請です。
記入内容は新規申請とほぼ同じですが、「更新申請」であることを明記し、現在の許可証番号を記載します。
車両や経路に変更がない場合は、前回の申請内容をそのまま記入できるため、新規申請よりも手続きが簡単です。
更新申請は、許可期間の満了日の3か月前から可能なので、期間が途切れないように早めに申請することが重要です。
変更申請が必要なケース
変更申請は、許可内容に変更が生じた場合に行う申請です。
車両の変更(車両の入れ替えや追加)・経路の変更(通行経路の追加や変更)・積載物の変更などが該当します。
変更申請では、変更前と変更後の内容を明確に記載し、変更理由も説明します。
変更内容によっては、新規申請と同等の審査が必要になることもあるため、変更が決まったら早めに申請することが推奨されます。
更新と変更の手数料の違い
更新申請の手数料は7,700円(税込)で、新規申請よりも安く設定されています。
変更申請の手数料は11,000円(税込)で、更新申請よりも高額です。
これらの手数料は、エクリ行政書士事務所に申請代行を依頼した場合の報酬額で、道路管理者への通行手数料は別途必要です。
通行手数料は、経路によって異なりますが、申請車両台数×申請経路数×200円が目安となります。
申請代行サービスの活用メリット
行政書士に依頼するメリット
特殊車両通行許可申請を行政書士に依頼すると、専門知識を持ったプロが申請書類を作成するため、記入ミスや書類不備のリスクを大幅に減らせます。
申請に必要な内容を分かりやすく説明してもらえるため、初めての申請でも安心です。
また、申請から許可証発行までの手続きを一括して任せられるため、本業に集中できます。
特に、許可取得を急いでいる場合や、複数の車両・経路を一度に申請する場合は、専門家のサポートが有効です。
エクリ行政書士事務所のサービス内容
エクリ行政書士事務所は、特殊車両通行許可に特化した行政書士事務所です。
初回相談料は無料で、要件診断や各種相談を無料で受け付けています。
料金体系は明朗会計で、事前に必ず見積もりを提示し、追加料金は発生しません。
新規申請は13,200円(税込)で1台につき2経路(往復)の料金、車両追加は3,300円(税込)、経路追加は5,500円(税込)で1経路あたりの料金です。
更新申請は7,700円(税込)、変更申請は11,000円(税込)で、見積もり提示後のキャンセルでもキャンセル料は発生しません。
申請代行の流れと費用
申請代行の流れは、まずメールまたはLINEで問い合わせを行い、申請の可否や大まかな内容を確認します。
次に、申請依頼と必要書類(申込書・委任状・申請条件)を提出し、これが申請を依頼する意思表示となります。
提出された申請内容をもとに正式な見積もりが提示され、見積もり内容に同意した時点で正式受任となります。
入金確認後に申請書類の作成および申請業務に着手し、許可証が発行され次第案内されます。
費用は、当事務所への報酬以外に道路管理者への通行手数料が必要で、経路によって異なりますが、申請車両台数×申請経路数×200円が目安となります。
まとめ|記入例を参考に正確な申請を
特殊車両通行許可申請書の記入は、項目ごとのポイントを押さえれば難しくありません。
申請書本体では申請者情報・車両台数・経路数・通行期間を正確に記入し、車両の諸元に関する説明書では車検証をもとに寸法と重量を正確に転記することが重要です。
通行経路表と経路図は、実際に通行する経路を明確に示し、電子申請書作成システムを活用すると効率的に作成できます。
よくある記入ミスとして、車両情報の転記ミス・経路情報の不明確さ・添付書類の不足があるため、提出前に必ず確認することが大切です。
申請手数料は、複数の道路管理者にまたがる場合に必要で、電子納付の導入により利便性が向上しています。
オンライン申請と書面申請のどちらも可能ですが、オンライン申請は24時間いつでも申請できるメリットがあります。
更新申請や変更申請は、新規申請よりも手続きが簡単ですが、期限や変更内容に注意が必要です。
申請に不安がある場合や、手続きに時間を割けない場合は、行政書士に依頼することで、正確かつスムーズな申請が可能になります。
エクリ行政書士事務所では、初回相談無料・明朗会計で、特殊車両通行許可申請を全面的にサポートしています。
申請書の作成から提出まで丸ごと対応し、許可取得を急いでいる場合も最短で申請します。
記入例を参考にしながら、正確な申請を行い、スムーズな許可取得を目指しましょう。
投稿者プロフィール

- エクリ行政書士事務所


申請書本体(様式第一)
申請者情報の記入方法
車両寸法の記入方法と測定基準
通行経路表の記入項目と順序
車両情報の記入ミス
オンライン申請のメリットと手順
更新申請の記入方法と時期




