特殊車両通行許可申請で最も重要なのはルート選定

特殊車両通行許可申請で最も多くの方が悩まれるのが、通行経路の決め方です。

ルート選定を間違えると、申請が差し戻されたり、許可が下りるまでの期間が大幅に延びたりします。運送業や建設業の現場では、許可が下りないと仕事が始められないため、ルート選定のミスは事業全体に影響を及ぼします。

この記事では、特殊車両通行許可に特化した行政書士が、通行経路の決め方から申請時の注意点まで、実務で使える手順を解説します。初めて申請する方でも、スムーズに進められるよう、よくある失敗パターンも含めて整理しました。

ルート作成から丸投げOK|特車申請を無料で相談する

特殊車両通行許可申請におけるルート選定の基本

特殊車両通行許可申請では、通行する経路を事前に決めて申請する必要があります。

許可が下りるのは申請した経路のみです。申請していない道路を通行すると、無許可通行となり罰則の対象になります。そのため、実際に通行する経路を正確に把握し、申請に反映させることが重要です。

通行経路は出発地と目的地を結ぶ最短ルートが基本

特殊車両通行許可申請では、出発地と目的地を結ぶ最短経路を選ぶのが原則です。

道路管理者は、申請された経路が合理的かどうかを審査します。明らかに遠回りしている経路や、必要のない迂回路を含む経路は、審査で指摘される可能性があります。

ただし、最短経路が必ずしも通行可能とは限りません。道路の幅員や橋梁の耐荷重、トンネルの高さ制限などにより、最短経路が通行不可となる場合もあります。その場合は、次に短い経路を選び、申請時に理由を明記します。

特殊車両通行許可申請のルート選定地図申請経路は往路と復路を分けて設定できる

特殊車両通行許可申請では、往路と復路で異なる経路を設定できます。

往路は積載物を運ぶため特殊車両として通行し、復路は空車で通行する場合、復路は一般車両として通行できることがあります。この場合、往路のみを申請すれば足ります。

一方、往復とも積載物を運ぶ場合や、車両自体が特殊な寸法・重量を持つ場合は、往路と復路の両方を申請する必要があります。実際の運行形態に合わせて、必要な経路を申請してください。

複数の目的地がある場合は経路を追加する

複数の目的地を巡回する場合、それぞれの経路を申請に含める必要があります。

たとえば、A地点からB地点、B地点からC地点へと移動する場合、A→BとB→Cの2経路を申請します。申請していない区間を通行すると無許可通行となるため、実際の運行計画をもとに必要な経路をすべて洗い出してください。

経路が増えると申請手数料も増えますが、必要な経路を漏らさず申請することが、後のトラブルを防ぐ最も確実な方法です。

通行経路を決める際の具体的な手順

通行経路を決める際は、以下の手順で進めるとスムーズです。

手順1:出発地と目的地を明確にする

まず、出発地と目的地を具体的に決めます。

出発地は車両の保管場所や事業所、目的地は工事現場や納品先など、実際に通行する地点を設定します。住所や地図上の位置を正確に把握し、申請書に記載できる状態にしておきます。

出発地と目的地が複数ある場合は、それぞれの組み合わせを整理し、必要な経路数を確認します。

手順2:地図上で最短経路を確認する

出発地と目的地が決まったら、地図上で最短経路を確認します。

国土交通省が提供する特殊車両通行許可申請システムでは、地図上で経路を選択できる機能があります。この機能を使うと、道路の種類や管理者も確認できるため、申請に必要な情報を効率的に集められます。

最短経路が通行可能かどうかは、次の手順で確認します。

特殊車両通行経路選定の手順手順3:道路の制限を確認する

選んだ経路が通行可能かどうかを確認します。

特殊車両が通行できるかどうかは、道路の幅員、橋梁の耐荷重、トンネルの高さ制限などによって決まります。これらの情報は、道路管理者が公開している道路情報や、特殊車両通行許可申請システムで確認できます。

通行不可の区間が含まれている場合は、迂回路を検討します。迂回路を選ぶ際も、最短経路に近いルートを選ぶことが重要です。

手順4:申請システムで経路を入力する

通行経路が決まったら、特殊車両通行許可申請システムで経路を入力します。

システムでは、地図上で経路を選択するか、道路名と区間を入力する方法があります。地図上で選択する方が視覚的にわかりやすく、入力ミスも減らせます。

入力後は、選択した経路が正しいかどうかを再度確認します。特に、交差点や分岐点での選択ミスが多いため、注意が必要です。

手順5:申請内容を確認して提出する

経路の入力が完了したら、申請内容を最終確認します。

出発地、目的地、経路、車両情報、積載物などが正しく入力されているかを確認し、問題がなければ申請を提出します。申請後は、道路管理者による審査が行われ、許可が下りるまで待ちます。

審査期間は内容によって異なりますが、3日から40日程度が目安です。審査中に経路の変更や追加が必要になった場合は、再申請が必要になることもあります。

ルート作成から丸投げOK|特車申請を無料で相談する

ルート選定でよくある失敗パターンと対策

ルート選定では、以下のような失敗がよく見られます。

失敗パターン1:実際の運行ルートと申請ルートが異なる

申請したルートと実際に通行するルートが異なるケースです。

申請時に最短経路を選んだものの、実際の運行では別のルートを使っていた場合、無許可通行となります。申請前に、実際に通行する経路を現場で確認し、申請内容と一致させることが重要です。

特に、複数の現場を巡回する場合や、日によって経路が変わる場合は、すべての経路を申請に含める必要があります。

特殊車両申請ルート選定の失敗例失敗パターン2:通行不可の区間を含めて申請してしまう

道路の制限を確認せずに申請し、審査で通行不可と判断されるケースです。

橋梁の耐荷重や道路の幅員、トンネルの高さ制限などを事前に確認せず申請すると、審査で差し戻されます。差し戻されると、経路を変更して再申請する必要があり、許可が下りるまでの期間が延びます。

申請前に、道路管理者が公開している道路情報や、特殊車両通行許可申請システムで制限を確認してください。

失敗パターン3:経路の入力ミスで意図しないルートになる

申請システムで経路を入力する際、交差点や分岐点での選択を誤るケースです。

地図上で経路を選択する際、似たような道路が並んでいると、誤って別の道路を選んでしまうことがあります。入力後は、選択した経路を地図上で確認し、意図したルートになっているかを確認してください。

特に、高速道路と一般道が並行している区間や、複雑な交差点では注意が必要です。

失敗パターン4:必要な経路を申請に含めていない

複数の目的地を巡回する場合、一部の経路を申請に含めていないケースです。

たとえば、A地点からB地点、B地点からC地点へと移動する場合、A→BとB→Cの両方を申請する必要があります。B→Cの経路を申請していないと、その区間は無許可通行となります。

実際の運行計画をもとに、必要な経路をすべて洗い出し、申請に含めてください。

オンライン申請での経路入力のコツ

特殊車両通行許可申請は、オンラインシステムで行うのが一般的です。

オンライン申請では、地図上で経路を選択する方法と、道路名と区間を入力する方法があります。どちらの方法でも申請できますが、地図上で選択する方が視覚的にわかりやすく、入力ミスも減らせます。

地図上で経路を選択する際のポイント

地図上で経路を選択する際は、以下のポイントに注意します。

まず、出発地と目的地を地図上で正確に指定します。次に、地図上で経路を選択していきますが、交差点や分岐点では、進行方向を間違えないよう注意します。選択した経路は、地図上で色分けされて表示されるため、意図したルートになっているかを確認します。

経路の選択が完了したら、選択した道路の名称や区間が正しいかを確認します。特に、高速道路と一般道が並行している区間では、誤って別の道路を選んでいないかを確認してください。

特殊車両通行許可オンライン申請の経路入力画面道路名と区間を入力する際のポイント

道路名と区間を入力する方法では、通行する道路の名称と区間を文字で入力します。

この方法は、経路が複雑でない場合や、道路名がはっきりしている場合に有効です。ただし、道路名の表記が複数ある場合や、区間の指定が曖昧な場合は、入力ミスが起こりやすくなります。

入力後は、地図上で選択した経路と一致しているかを確認し、問題がなければ申請を進めます。

経路の保存と再利用

オンライン申請システムでは、一度入力した経路を保存し、次回の申請で再利用できます。

同じ経路を繰り返し申請する場合、保存した経路を呼び出すことで、入力の手間を省けます。ただし、保存した経路が最新の道路情報に対応しているかを確認し、必要に応じて修正してください。

ルート選定で確認すべき道路の制限

特殊車両が通行できるかどうかは、道路の制限によって決まります。

主な制限としては、道路の幅員、橋梁の耐荷重、トンネルの高さ制限、道路の構造などがあります。これらの制限を事前に確認し、通行可能な経路を選ぶことが重要です。

道路の幅員制限

道路の幅員が車両の幅より狭い場合、通行できません。

特殊車両は一般車両より幅が広いため、狭い道路では通行できないことがあります。道路の幅員は、道路管理者が公開している道路情報や、特殊車両通行許可申請システムで確認できます。

幅員制限がある道路を通行する必要がある場合は、迂回路を検討するか、車両の幅を制限内に収める必要があります。

橋梁の耐荷重制限

橋梁には耐荷重の制限があり、車両の総重量がこれを超えると通行できません。

特殊車両は一般車両より重量が大きいため、橋梁の耐荷重を超えることがあります。橋梁の耐荷重は、道路管理者が公開している道路情報で確認できます。

耐荷重制限がある橋梁を通行する必要がある場合は、迂回路を検討するか、車両の総重量を制限内に収める必要があります。

特殊車両通行可能な道路の制限確認トンネルの高さ制限

トンネルには高さ制限があり、車両の高さがこれを超えると通行できません。

特殊車両は一般車両より高さが大きいことがあるため、トンネルの高さ制限を超えることがあります。トンネルの高さ制限は、道路管理者が公開している道路情報で確認できます。

高さ制限があるトンネルを通行する必要がある場合は、迂回路を検討するか、車両の高さを制限内に収める必要があります。

道路の構造による制限

道路の構造によっては、特殊車両が通行できない場合があります。

たとえば、急カーブや急勾配がある道路では、車両の長さや重量によっては通行が困難になることがあります。道路の構造は、道路管理者が公開している道路情報や、現地調査で確認できます。

道路の構造による制限がある場合は、迂回路を検討するか、車両の仕様を変更する必要があります。

申請後の経路変更と追加申請

申請後に経路を変更する必要が生じた場合、変更申請が必要です。

変更申請は、許可が下りる前であれば、申請内容を修正できます。ただし、許可が下りた後に経路を変更する場合は、新たに変更申請を行う必要があります。

許可前の経路変更

許可が下りる前に経路を変更する場合、申請内容を修正できます。

申請システムで経路を修正し、再度申請を提出します。ただし、修正内容によっては、審査期間が延びることがあります。

経路の変更が必要になった場合は、できるだけ早く修正し、審査への影響を最小限に抑えてください。

許可後の経路変更

許可が下りた後に経路を変更する場合、変更申請が必要です。

変更申請では、変更する経路と理由を明記し、申請を提出します。変更申請の審査期間は、新規申請と同様に3日から40日程度が目安です。

変更申請が必要になった場合は、実際の運行計画を見直し、必要な経路をすべて含めて申請してください。

経路の追加申請

新たな経路を追加する場合、追加申請が必要です。

追加申請では、追加する経路と理由を明記し、申請を提出します。追加申請の審査期間も、新規申請と同様に3日から40日程度が目安です。

追加申請が必要になった場合は、実際の運行計画を見直し、必要な経路をすべて含めて申請してください。

ルート作成から丸投げOK|特車申請を無料で相談する

行政書士に依頼するメリット

特殊車両通行許可申請は、自分で行うこともできますが、行政書士に依頼するメリットもあります。

行政書士に依頼すると、申請に必要な書類の作成や経路の選定、申請手続きをすべて代行してもらえます。特に、初めて申請する場合や、複雑な経路を申請する場合は、行政書士に依頼することで、スムーズに許可を取得できます。

申請の手間を省ける

行政書士に依頼すると、申請に必要な書類の作成や手続きをすべて代行してもらえます。

申請に必要な書類は、車両の諸元表や積載物の情報、経路の詳細など、多岐にわたります。これらの書類を自分で作成するには、時間と手間がかかります。行政書士に依頼すると、必要な書類をすべて作成してもらえるため、申請の手間を大幅に省けます。

申請ミスを防げる

行政書士に依頼すると、申請ミスを防げます。

申請書類の記載ミスや経路の選択ミスは、審査で差し戻される原因になります。行政書士は、申請に必要な内容を熟知しているため、ミスを防ぎ、スムーズに許可を取得できます。

審査期間を短縮できる

行政書士に依頼すると、審査期間を短縮できる可能性があります。

申請内容が正確であれば、審査がスムーズに進み、許可が下りるまでの期間が短くなります。行政書士は、申請に必要な内容を正確に把握しているため、審査期間を短縮できる可能性があります。

複雑な経路でも対応できる

行政書士に依頼すると、複雑な経路でも対応できます。

複数の目的地を巡回する場合や、通行制限のある道路を迂回する場合など、複雑な経路を申請する場合は、行政書士に依頼することで、スムーズに許可を取得できます。

まとめ

特殊車両通行許可申請では、通行経路の選定が最も重要です。

出発地と目的地を明確にし、最短経路を選び、道路の制限を確認することが基本です。申請システムで経路を入力する際は、交差点や分岐点での選択ミスに注意し、入力後は必ず確認してください。

申請後に経路を変更する必要が生じた場合は、変更申請や追加申請が必要です。実際の運行計画を見直し、必要な経路をすべて含めて申請してください。

初めて申請する場合や、複雑な経路を申請する場合は、行政書士に依頼することで、スムーズに許可を取得できます。申請の手間を省き、ミスを防ぎ、審査期間を短縮できるため、検討してみてください。

投稿者プロフィール

高山 秀康
高山 秀康エクリ行政書士事務所